・せっかく働くなら、環境の悪いところは選びたくない
・自分の働く施設の労働環境は大丈夫かな?
この記事はこんな悩みのあるあなたに読んでいただきたい内容になっています。
毎日何時間も仕事をする上で、労働環境はとても重要です。
環境の悪いところで働いていると、自分自身が肉体的にも精神的にもしんどくなってしまいます。
自分がしんどい時に、人に優しく接するのって難しいですよね。
そうならないように、しんどくなりやすい労働環境の特徴を紹介し解説していきます。
危険な特徴① 労働時間が長い ※具体例3つあり
働く上で、1日の労働時間がどのくらいかはとても大事です。
今の日本ですと、8時間労働(休憩込みで9時間の拘束)といったところが多いのではないでしょうか。
労働時間については、事業所により規定が設けられていると思いますが、基本的には労働基準法に従い作られているはずです。
しかし、実情は……
ということで、労働時間について注意するべき特徴を3つ紹介します。
- 始業前の仕事の強制
- 既定の労働時間で仕事が終わらない
- サービス残業が当たり前になっている
といったように、仕事の前後でそれぞれ時間が長くなってしまうパターンで、よくあるものを具体的に掘り下げていきます。
始業前の仕事が強制されている。
- 着替えの時間は労働時間
- 業務に必要な準備をする時間
その日の業務を開始するにあたっての準備も、雇用主からの指示や就業規則に書かれている場合は労働時間にあたります。
(制服の着用もルールとなっている場合には、こちらに該当します。開始時間になってから着替えを行うのが本来の流れです。)
しかし、指示などがあるにも関わらず、労働時間としては扱われないところが多くあります。
事業所によっては「始業時刻に速やかに業務を開始できるよう、時間に余裕をもって出勤すること。」などルールを曖昧にし、暗に「早めに出社してね」と自発の姿勢を促すケースもあるようです。
私の知る事業所では「余裕を持った出勤」の際に以下のようなことを職員が行っていました。
- デイサービスで8:30から勤務開始。開始時には即迎えに出るため、座席の配置や当日の受け入れの準備は8:15頃から行っている。
- 特養で勤務スタートですぐに現場に入れるように、出勤したら勤務前にも関わらず申し送りに強制的に参加させられる。
あくまで自発的に職員が行っているという形でしたので、限りなく黒に近いグレーになるのかなと思いますが…
このケースで、早めに来ないことに対して注意や指導、評価を下げるなどが行われている場合は、早めの出社を強制されているとみなされ、完全な黒になります。
その場合はやはり労働時間に含まれますので、準備時間に対する取り扱いの確認は必須です。
契約時の労働時間で仕事が終わらないことが多い
毎日のように定時であがれないことが続く
例えば…
- デイサービスの場合は、ご利用者さんの送り時間が遅くなり施設への戻りが遅くなる。
- 入所系施設の場合は、入れ替わり職員への申し送りに時間がかかってしまう。
- 定時の直前に失禁やコールへの対応で時間が過ぎる。
確かに、時にはこういったことも起こります。(むしろそこそこ起こるかもしれません。)
しかし、それらが「当たり前」になってしまって、いつものことだから業務が伸びるのは仕方がない。と思ってしまうのはよくありません。
そして、その状況を雇用主が知っていて改善しないようであれば危険な職場であると断言できます。
サービス残業が当たり前になっている
上に記したように、定時で仕事が終わらないこともあります。
そんな時に残業代がつくわけでもなく、当然のようにサービス残業になっているところも世の中にはあります。
既定の就労時間内ではどうあっても終わらない(手をつける時間がない)ような仕事を「残業」で行う場合にキチンと残業代がつかないというのは、これもやはり危険な職場であると断言できるでしょう。
そもそも残業はできればしたくない人のほうが多いでしょうし、働いた分は残業代としてきちんと対価を示してもらわないと、やる気も下がってしまいますね。
危険な特徴② 休みの制度がきちんとしていない ※具体例3つあり
休日がしっかりととれ、自分自身のリフレッシュをすることは働く上で欠かせません。
休みの制度も職場によって色々と違いがあります。
年間の休日日数や、有給や特別休暇の取り扱い、ローテーション制で仕事をしている所もあれば、日々違う組み合わせで一ヶ月の勤務表が作成されているところもあるでしょう。
そんな休みの制度の中で注意したいところを確認していきます。
公休が少ない
求人サイトを見ると「年間休日○○日以上!」など載っています。
- 一般的な職場と比べてあまりにも少ない。
- 実際に入職してみたら何かしら理由をつけられて、その日数の休日をもらうことができない。
など、基本の休日の日数が少ない職場は、そこで働きたい大きな理由が特になければ避けたいところ。
有給が取れない
有給は労働基準法第39条に定められた権利であり、雇用する側は原則的に有給休暇の請求を拒否することはできないとされています。
また、有給休暇を取得するにあたり、理由を説明する必要もありません。
にも関わらず、有給休暇の取得が認められない場合や、そもそも有給休暇が与えられない職場には早めに見切りをつけるべきです。
代わりの人を見つけないと休みがとれない
プライベートの都合で急に休みが欲しい時は誰にでもありますよね。
そんな時に「休みたいなら代わりの人見つけてね。」とか「誰かに交代してもらって。」という職場は多くあります。
人員配置の基準などもあり、職場としても簡単に「わかりました。いいですよ。」と返事をするのが難しいこともあるかもしれません。
しかし、毎回都合よく変わりが見つかるとも限りません。
そうなった時にも最終的には「なんとかなるから休んで大丈夫だよ。」と言ってくれる職場で働きたいものです。
危険な特徴③ 各種基準への違反や禁止行為の実施 ※具体例2つあり
介護の施設やサービスには運営をするにあたって様々な基準があります。
- 運営基準
- 人員配置基準
- 設備基準
これらの基準の他に、介護職が行ってはいけない行為なども含めて、関係法令で定められているものや禁止されているものがあります。
職員への負担や、ご利用者さんの健康に対する安全面の観点から、これに反している施設は危険だと言えます。
人員配置基準が守られていない
例えば、デイサービスの場合
介護職員の人数は利用者数が 15名まで介護職員1名。
15人以上の場合は(利用者数−1)÷5+1人
このほかに管理者や生活相談員、看護師や機能訓練指導員など必要に応じた人員の配置が必要。
この基準が守られていないと、ご利用者さんに必要な支援が行えない可能性があり、安全面や職員一人当たりの労働量にも問題が出てきてしまいます。
ところが、実際には定められた職員数を下回る人数で運営をしているところもあります。
そうなると、基準以上で運営しているところに比べ職員一人一人の業務負担の増加は必然。
自分の負担が多いとわかっているところでは働きたくないですよね…
介護職に禁止されている医療行為をやらせている。
他人に医療行為を行うことは、医師や看護師などの免許を持った人でないと行うことができません。
例外的に一部の行為は「医療的ケア」として、介護士でも認められている行為もあります。
しかし、看護師不足や業務の効率化のために、この線引きに違反して介護士が医療行為を行うことが常習化している施設も世の中には存在します。
無資格の人間がルールを無視して医療行為を行い、ご利用者さんの健康に害を与えてしまうことはあってはならないことです。
こういったことを当然のように職員に行わせている施設で働くのは絶対にやめましょう。
評価や報酬の基準が曖昧
職場にはそれぞれ、昇給や個人の業務を評価するための仕組みがあると思います。
ところが、この仕組みが曖昧になっている施設も世の中には存在します。
こういった施設で働くと、自分の仕事への適切な評価が行われず、仕事の量や責任に対して給料が見合わない、昇給がないなどの状況につながります。
また、仕事へのモチベーションが上がらず、雑な仕事につながり、自分やご利用者さんにとってデメリットしかありません。
職員個人への面談や評価が行われない
雇用主や管理者が、職員の仕事の能力を把握・評価したり、悩みを聞いたりする機会を設けて、能力向上のきっかけを与えたり、働きやすい環境を作ることはとても重要なことです。
しかし、これらが行われず現場のリーダーからの【仕事の指導のみ】となっている職場も存在しています。
現場を円滑に回すためにも、少なくとも管理者クラスは職員一人一人のスキルや得手・不得意、勤務態度をしっかりと把握しておく必要がありますよね。
さらに、悩みの聞き取りなどが疎かになっているところは、職員の不満が溜まり、職員同士の陰口やいじめ、派閥形成などにつながる場合もあります。
こうなってしまうと連携不足などで、ご利用者さんにまで害が及ぶこともありますので、職員一人一人の状況を雇用主や管理者が把握しようとする姿勢のある職場を選びたいですね。
給与やボーナスについての制度が曖昧
給与の上昇率や基本給に対する賞与の倍率が異なる…
当然、個人個人で多少の違いはあるものですが、こちらの制度が曖昧になっているところも多くあります。
でも、きちんと明示してあるわけでもなく、ボーナスの内訳もわからず、周囲と額が違ったりすると嫌になりますよね…
お金の問題は、直接自分のモチベーションに影響が大きく、ゆくゆくは職場への不信感にもつながります。
給与面の取り決めがきちんとしていないところは、絶対に避けるべき職場であると言えます。
まとめ
今回は労働環境について、危険な施設の特徴を紹介しました。
何の事柄についても「自分を大事にすること」を考えた時に、自分に負担となるようなことが大きくある場合には、いい労働環境とは言えないと思います。
そういった場合には、無理に頑張って働くことを継続せずに、新しい環境で働くことを考えるのも必要です。
逆に「自分のことを考えてくれる。」「自分を守ってくれる。」と思える職場に出会えた幸運な方は、是非そこで自分の力を存分に発揮してください。